前回の記事では、特定医療費(指定難病)の申請方法や更新方法について紹介しました。
今回はその補足として、
「もし特定医療費受給者証の更新をしなかったらどうなるのか?」
について、私自身の経験をもとに書いていきます。
結論から言うと、
更新手続きは忘れずにやったほうがいいです。
私は実際に更新をしないまま約1年間過ごし、その間、通常の健康保険の自己負担で医療費を支払いました。
後から計算してみると、かなり大きな金額になっていました。
特定医療費受給者証がある場合とない場合
医療保険の窓口負担が通常3割の人の場合、指定難病の医療費助成が適用されると、対象となる医療費の自己負担割合は原則2割になります。
さらに、所得などに応じて1か月の自己負担上限額が設定されます。
つまり、単純に「必ず2割払う」という制度ではなく、
「2割負担」と「月ごとの自己負担上限額」を比べて、負担が抑えられる仕組み
になっています。
私の場合、自己負担上限額は月20,000円です。
私は1年間、更新をしていませんでした
私は仕事などで時間を作れず、
「また今度やろう」
と思っているうちに更新手続きをしないままになってしまいました。
その結果、約1年間、特定医療費受給者証を使わず、通常の健康保険で3割負担をしていました。
私は基本的に2か月に1回程度通院しています。
診察・検査・薬などによって金額は変わりますが、分かりやすく一例を出します。
医療費総額を82,720円とすると、
- 特定医療費が適用され2割負担の場合:16,544円
- 通常の健康保険で3割負担の場合:24,816円
- 1回の差額:8,272円
- 2か月に1回、年間6回通院した場合:年間49,632円の差
になります。
約5万円です。
8,000円あれば外食をかなり楽しめますし、5万円あれば旅行代の一部にもできます。
そう考えると、
「更新手続きをしなかっただけで、こんなに違うのか……」
と後悔しました。
もちろん実際の医療費は、受診内容や薬、検査、自己負担上限額などによって変わります。
それでも、私の場合は更新しなかったことによる負担の違いをかなり実感しました。
「時間がない」で後回しにしたことを後悔
病院へ行くだけでも時間がかかります。
さらに臨床調査個人票をお願いしたり、必要書類を準備したり、役所や保健所へ申請したりするとなると、
「面倒だな」
「仕事が忙しいから今度にしよう」
と思ってしまうこともあります。
私もその一人でした。
しかし、1年間更新しなかったことで余計に医療費を支払うことになり、
「あのとき少し時間を作って更新しておけばよかった」
と思いました。
更新の手間はあります。
それでも、これから何年も治療を続けていくことを考えると、更新手続きはとても大切です。
1年間放置しても、また申請できる?
私が気になったのが、
「1年間更新していなかったけど、もう一度申請できるのか?」
ということでした。
再び申請すること自体は可能です。
ただし、受給者証の有効期限を過ぎてしまった場合、通常の「更新」ではなく、改めて新規申請として扱われる場合があります。
実際に自治体でも、有効期限後の申請は新規申請扱いになると案内されています。受給者証を継続して利用したい場合は、有効期間内に更新申請をすることが重要です。
また、新規申請では一定の範囲で助成開始日をさかのぼれる制度がありますが、1年間すべてをさかのぼって助成してもらえるわけではありません。原則として申請日から1か月、やむを得ない事情が認められる場合でも最長3か月までなどのルールがあります。
そのため、
「あとから申請すれば全部返ってくるだろう」
とは考えないほうがいいと思います。
期限が切れていたら、まず窓口へ確認
私のように長期間更新していなかった場合は、いきなり書類を集めるより、
先に住んでいる地域の保健所や申請窓口へ電話する
ことをおすすめします。
自治体や加入している健康保険によって必要書類が変わることがあるからです。
私が新規申請で準備した主な書類は、
- 臨床調査個人票
- 特定医療費支給認定申請書
- 健康保険の資格情報
- 本人確認・マイナンバー確認書類
- 所得を確認する書類
- 住民票
などです。
愛知県の場合、新規申請では患者が属する世帯全員の住民票が必要と案内されています。また、健康保険の種類によって提出する資格情報の範囲も異なります。
必要書類は地域によって違う可能性があるので、自分の自治体で必ず確認してください。
特に注意したいのが「臨床調査個人票」
私が特に注意してほしいと思うのが、
臨床調査個人票です。
受給者証の期限が切れて、新規申請として手続きする場合、
病院の受付で、
「難病の更新をお願いします」
と伝えてしまうと、更新用として処理されてしまう可能性があります。
期限が切れて新規申請になっている場合は、
「特定医療費の新規申請です」
と病院に伝えたほうが安心です。
有効期限切れの場合は「新規」の扱いになると案内している自治体もあります。
私もここは間違えやすいところだと思いました。
住民票も間違えやすい
もう一つ注意したいのが住民票です。
愛知県の新規申請では、
患者本人だけではなく、世帯全員の住民票
が必要です。
私はコンビニで住民票を発行するとき、
「本人だけでいいのか?」
「世帯全員なのか?」
と迷いました。
コンビニ交付を利用すると簡単に発行できますが、選択を間違えると取り直すことになります。
申請前に必要な住民票の内容を確認しておくことをおすすめします。
引っ越した場合は住所変更も忘れずに
私は以前、引っ越しをすることになりました。
そのとき、
「住所が変わるなら病院も転院しないといけないのかな?」
と考えていました。
私が通っていたのは比較的大きな病院で、診察は基本的に平日です。
私は夜勤前に病院へ行くこともありました。
病院へ行った経験がある人なら分かると思いますが、大きな病院はとにかく待ち時間が長いことがあります。
診察、検査、会計、薬まで終わると、半日近くかかることもあります。
有給を取って通院したこともありますが、
「せっかくの休みが病院だけで終わってしまった」
と思ったこともあります。
正直、もったいないと感じます。
ただ、病気を抱えて生活していく以上、必要な通院でもあります。
引っ越したら受給者証の手続きも必要
引っ越しによって住所が変わった場合、特定医療費の手続きも確認する必要があります。
愛知県では、氏名・住所・医療保険などに変更があった場合、変更届をかんかつの保健所へ提出するよう案内されています。
また、県外への引っ越しや、制度を担当する自治体が変わる場合には手続き方法が変わることがあります。
そのため引っ越しが決まったら、
住民票の住所変更だけで終わらせず、特定医療費受給者証についても新しい住所の自治体や保健所へ確認する
ことをおすすめします。
なお、愛知県では2026年3月以降、受給者証の指定医療機関欄は個別の病院名ではなく、
「各都道府県・指定都市等が指定する指定医療機関」
という形になっています。
そのため、対象となる指定医療機関であれば、受給者証に特定の病院名が書かれていないことだけを理由に助成が使えないという仕組みではありません。
最後に
私が今回一番伝えたいことは、
「特定医療費受給者証の更新は後回しにしない」
ということです。
私自身、
「仕事が忙しい」
「病院に行く時間がない」
「書類を準備するのが面倒」
という理由で更新を後回しにしました。
結果として約1年間、通常の3割負担で医療費を支払いました。
私の通院例で計算すると、年間で約5万円の差になります。
更新には確かに手間がかかります。
それでも、これから長く病気と付き合っていくのであれば、利用できる制度はきちんと利用したほうがいいと私は思います。
更新の案内が届いたら、まず病院へ臨床調査個人票をお願いする。
これだけでも早めにやっておくと、その後の手続きがかなり楽になります。
私のように更新を忘れて後悔する人が少しでも減れば、この記事を書いた意味があると思います。

コメント