便のことを知って損はない!毎日の健康チェックに役立つ便の基礎知識

便

あなたは、毎日の便を確認していますか?

前回は「潰瘍性大腸炎」や「大腸がん」についてお伝えしましたが、今回はもっと基本的な「便の見方」について紹介します。

便は、食事や水分量、腸の動きなどの影響を受けます。そのため、毎日の便をチェックすることは、自分の体調の変化に気づく一つのきっかけになります。

チェックしたいポイントは、主に「形」「硬さ」「におい」「色」の4つです。

ただし、便の状態だけで病気を診断することはできません。「いつもと違う状態が続いていないか」を見ることが大切です。

便の形をチェック

健康的な便の代表は、適度な太さがあり、表面が比較的なめらかなバナナ状の便です。

一方で、以前より明らかに細い便が何日も続く場合には注意しましょう。

大腸がんなどによって腸の中が狭くなると、便が細くなることがあります。ただし、細い便が出たからといって、それだけで大腸がんというわけではありません。便秘や腸の動きなど、ほかの原因でも便の形は変化します。

大腸がんでは、便が細くなること以外にも、便秘や下痢などの排便習慣の変化、血便、腹痛、原因不明の体重減少などがみられることがあります。こうした変化が続く場合は、医療機関に相談することが大切です。

便の硬さをチェック

便の硬さを見るときによく使われるのが、「ブリストル便形状スケール」です。

便を1〜7の7段階に分けたもので、一般的にタイプ3〜4が理想的な状態とされています。

タイプ1はコロコロとした硬い便、タイプ2はソーセージ状だけれど硬くゴツゴツした便です。タイプ 1と2は便秘傾向を示します。

反対にタイプ5〜7になるにつれて便は柔らかくなり、タイプ7は水のような下痢便です。

毎日まったく同じ便を出す必要はありません。食事や水分、体調によって多少変化するのは自然なことです。

特にタイプ1と2の硬い便が続く場合、便が腸内に長くとどまり、水分が多く吸収されていることがあります。

そんなときは、水分をこまめに摂ること、食物繊維を含む野菜・果物・豆類・海藻・きのこ類などを意識すること、適度に体を動かすことを心がけてみましょう。

厚生労働省の情報でも、食物繊維の摂取は排便量や排便回数の増加と関連することが示されています。

※必要な水分量には個人差があります。心臓や腎臓の病気などで水分制限を受けている方は、医師の指示を優先してください。

便のにおいをチェック

便にはある程度のにおいがあるのが普通です。

食べたものや腸内細菌の働きによって、においは日によって変化します。肉類などの食事が多かった日や、腸内での発酵・腐敗の状態によって、いつもより強く感じることもあります。

そのため、「便が臭い=病気」と判断する必要はありません。

腸の健康を保つためには、肉類だけに偏らず、野菜、果物、豆類、海藻、きのこ類などから食物繊維をとり、バランスのよい食生活を心がけましょう。

ヨーグルトや納豆などの発酵食品を食生活に取り入れるのも一つの方法です。

そして、睡眠も健康管理には大切です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は個人差を考慮しながら、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。

ただし、非常に強い悪臭が続き、下痢、腹痛、発熱、体重減少など別の症状もある場合には、医療機関への相談をおすすめします。

便の「色」は 特に要チェック

便は通常、胆汁などの影響によって茶色になります。

食べ物や薬によって色が変わることもありますが、なかには病気のサインになる変化もあります。

白・灰色っぽい便

白色や粘土のような薄い色の便が続く場合、胆汁が腸に流れていない可能性があります。

胆石による胆管の閉塞、肝臓や胆道の病気、腫瘍など、さまざまな原因が考えられます。白っぽい便が続く場合は自己判断せず、医療機関を受診しましょう。

緑色の便

緑色の便は、ほうれん草などの緑色の食品、着色料、鉄剤などによって生じることがあります。

また、下痢などで便が腸を速く通過した場合にも緑色になることがあります。そのため、緑色だけで感染症と判断することはできません。

発熱や激しい下痢、腹痛、脱水症状などを伴う場合は受診しましょう。

黒い便

特に注意したいのが、真っ黒でタールのようにベタベタした便です。

胃や十二指腸など、消化管の上の方で出血すると、血液が消化されることで黒い便になることがあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、さまざまな原因があります。

一方、鉄剤などによって便が黒くなることもあります。

黒いタール状便が出た場合や、めまい、息切れ、強い腹痛などを伴う場合は、早めに医療機関を受診してください。

赤い便・血便

鮮やかな赤い血が便についたり、便に混ざったりする場合、肛門や大腸などからの出血が考えられます。

原因としては痔や切れ痔のほか、大腸憩室からの出血、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、大腸ポリープ、大腸がんなどさまざまです。

「痔だろう」と決めつけず、原因の分からない血便や繰り返す血便は一度医療機関で相談しましょう。

最後に

便は毎日のように体から出てくるものだからこそ、自分の体調を知るための身近なヒントになります。

大切なのは、一回の便だけを見て不安になることではありません。

「いつもの自分の便と違う状態が続いていないか」

ここをチェックしてみてください。

便の形、硬さ、におい、色を少し意識するだけでも、体の変化に早く気づける可能性があります。

人生100年時代。

毎日のトイレ習慣を、自分の健康を守るための小さなセルフチェックにしてみてください。

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